日本人にしかできない「気づかい」の習慣

なるほど!うまくいく人といかない人はココが違うのか!

特別なことをしているようには見えないのに、なぜか上手くいく人っていますよね。

・上司や、先輩に可愛がられる!
・人間関係が上手くいく!
・異性にモテる!
・仕事がうまくいく!
・お金が貯まる!
・で、人生が変わる!

これって最高じゃないですか!(^^)!
逆に、頑張っているように見えるのに上手くいかない人もいます。

果たしてこの違いは何なのでしょうか?

今回は、『日本人にしかできない「気づかい」の習慣』や『「気がきく人」の習慣』などが10万部以上のベストセラーになっている上田比呂志さんにお話を伺いました。

大正時代から続く老舗料亭に生まれ、幼いころから「おもてなし」を学び、三越では「スキル」を極め、ディズニーでは「仕組み」を知った経験豊かな上田さんならではの心にしみる素敵なお話を伺うことができました。

◆老舗の料亭で学んだ「おもてなし」で心に残っていることは何でしょうか?

「働かざる者食うべからず」ということで、幼いながらもお酒のお燗をつけたり、お客様の靴をそろえる下足番など、子供でもできる仕事をしていました。
そんな中で学んだことはたくさんあったのですが、今も「おもてなし」の核として私の体にしみついている言葉をお話ししますね。

まだ、気づかいやおもてなしの心がわからなかった時に祖母が教えてくれたことです。

その頃、ひろ坊と呼ばれていた私が聞いたのです。

「おばあちゃん、おもてなしって何?」
すると祖母はこんな風に答えてくれたのですね。

「ひろ坊、おまえの好きな人って誰?」
「おばあちゃん」
「ひろ坊、おばあちゃんが来たら何してくれる?」
「おばあちゃん、おはぎが好きだから、おはぎを作ってあげる」
「ほかには何かしてくれる?」
「きれい好きだから、お掃除してあげる」

「ひろ坊、それが、おもてなしって言うんだよ。だからね、目の前にいるお客様を、自分の一番大切な人だと思いなさい。そうしたら、頭で考えなくてもそのひとにこうしてあげたいと、心で感じることができるから」

「アンパンマン」で有名な漫画家のやなせたかしさんは、三越時代の大先輩であり荒木町に住んでいらっしゃったご近所さんでもありました。
そんなやなせたかしさんのご著書からとても素敵な言葉を発見しました。

「人生はよろこばせごっこ」 『明日をひらく言葉』やなせたかし著(PHP文庫)から

相手を慮り(おもんばかり)、気づかい、喜んでいただくことで、自分も幸せを感じる。

まさに、人を喜ばせることで、自分も喜ぶ。これが「気が利く人」の本質なのです。

◆あのディズニーでも越えられない日本人の「気づかい」とはどういうことですか?

世界一の接客と言われるディズニーの凄いところは、働くキャストには色々な人種がいるので、共通で使える行動規範を「しくみ化」しているところです。
これはとても素晴らしいものです。
ですが、夢の国であるはずのディズニーなのにレストランではチップを受け取るのですね。
これには本当にビックリしました。
日本人ならお金など関係なしで相手を慮る(おもんばかる)。
ところが、アメリカではサービスはお金で買うものなのです。
これは文化の違いですからしょうがないですね。
この文化の違いだけは「しくみ化」できなかったのです。

◆日本人がこれから考えるべきこととは何でしょうか?

感性(心のアンテナ)を磨くということでしょうか。
いま、若いリーダーのための本を執筆中なのですが、この本で伝えたいのは、今の若者は当然ながら「今」の情報には強いのですが、日本人が古来より大切にしてきた「変わらないもの」、つまり人の心に寄り添うという「気づかいの心」が足りないということです。
誰もこれを教えてくれる人がいなかったのですね。

では、なぜ私たちは他人を気づかうという感性が鈍ってしまったのでしょうか?

やはり、インターネットやメールなど便利になり過ぎたためでしょうね。
利便性を追求するのは決して悪いことではありませんが、時として無くしてはいけない大切な感性を失ってしまうことがあります。
「心で感じる」ことが少なくなってしまったのだと思います。

それでは、どうしたら感性が豊かになるのでしょうか?

・色々な事に接し心のアンテナを伸ばすこと
・映画や名画を観て「感じる」こと
・一流の人に会い人間力を磨かせて頂くこと
・神聖な場所で清めること(自然に触れて自分の心と会話をする) 

そして「自尊心を持って心を磨くこと」が本当の幸せだと思っています。
AIが叫ばれている現代だかこそ、これからは心力(人間力)が益々重要になっていくのではないでしょうか。

◆インタビューを終えて感じたこと
上田さんとは4年まえからのお付き合いですが、とても物腰が柔らかく丁寧に話す方だなというのが第一印象でした。
今回のインタビューでは、ますますグローバル化が進む中で、あらためて、とても重要な役割を担っていく方だと感じました。
世界を驚愕させる日本人の国民性ですが、AIや外国人にはなかなか真似のできない!?ものです。
「気づかい」は日本人のアドバンテージであり、まさにそこに「気づかない」のはもったいないことですね。
上田さんは、「言わなければ伝わらない」のが海外の常識なら、相手を慮る(おもんばかる)、思いやるという感覚。「言われなくても気づく」のが日本人の心に根差したかけがえなのない宝だと言っています。
交渉においても相手の立場に入れ替わって考えてみる「視座を変える」ことは超一流のビジネスマンなら誰でもわきまえていることです。
上田さんの著書は、ビジネスにも大いに役に立つものですが、実はビジネス本ではなくて、もっと根底にあるものについて触れている、すべての方のバイブルとなるような本です。
今回のインタビュでも、心に残る本当に素晴らしいお話しをお聞きしました。

◆プロフィール 上田比呂志 うえだ・ひろし
大正時代創業の老舗料亭に生まれる。幼い頃より家業を手伝い、”おもてなし”という、日本文化のDNAを受け継いで育つ。1982年に大手デパート・三越に入社。同社の社内研修制度によりフロリダで開催されたウォルトディズニーワールドの「フェローシッププログラム」に参加。1年間、世界11ヶ国の人々とディズニーユニバーシティに通い、ディズニーマネジメント(ディズニーウェイ)を学ぶ。その後、フロリダにてディズニーワールドエプコットセンターのジャパンパビリオンディレクター(取締役)に就任するなど、世界を舞台に人材教育・マネジメントに従事。
 現在は、これまでの経験をもとに、講演・企業研修・パーソナルコーチングを中心に活動中。料亭のおもてなし、ディズニーウエイをとり入れたコーチングスタイルは好評を博す。最近では、台湾大学での日本文化の特別講義を始め、シンガポール、イギリスでの講演など日本にとどまらず、世界的に活動を展開している。また、2016年からは浅草の夢乃屋にてインバウンドアドバイザーに就任し、第一線の現場においても活躍中。

必聴のとっても良いお話です↓

【動画】ディズニーと三越で学んできた 日本人にしかできない「気づかい」の習慣
紀伊國屋書店新宿南店にて

https://www.youtube.com/watch?v=l5GREVHK9TI

◆ホームページ

http://www.ueda-hiroshi.com/

◆書籍が気になる方はコチラ↓

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